日本共産党神奈川県委員会

JCP-kanagawa

原子力艦の原子力災害対策マニュアル検証に係る作業委員会の見解について

2原子力艦の原子力災害対策マニュアル検証に係る作業委員会の見解についての抗議声明

原子力艦の原子力災害対策マニュアル検証に係る作業委員会の見解について

 

2016年3月29日
日本共産党神奈川県委員会 委員長 田母神悟
日本共産党神奈川県会議員団 団長 井坂新哉
日本共産党横須賀市会議員団 団長 大村洋子

 

報道によれば、米原子力艦の原子力災害対策マニュアルを検証する内閣府の作業委員会は3月28日の作業委員会で第5回会合を開催し、応急対応範囲については従来通り、空母の場合は半径1キロ以内で即時避難、1~3キロ以内で屋内退避とするなど、事実上現行通りとする結論に達し、作業を終了した。
 原子力発電所と原子力艦の原子力災害との間での避難基準の齟齬については、その見直しを日本共産党の国会議員団や神奈川県会議員団、横須賀市会議員団も求めてきたところである。福島第1原発の事故をうけて商業用原発の災害対策指針で避難範囲が拡大されたにもかかわらず、今回、原子力艦の原子力災害の際の避難範囲について作業委員会が現状維持の結論を出したことは、米軍のファクトシートのみに依存した結論ありきのものであり、を強く抗議する。今回の見解は、以下のような重大な問題点があることを指摘しなければならない。
第1に、今回の見解は、メルトダウンとかメルトスルーといった最悪の事態を想定していないこと、住民団体が入手したロナルドレーガンの航海日誌なども参考にせず原子力空母の平均出力をファクトシートがいう15%と過小評価して試算していること、また原子力艦船の原子炉や運転状況などに関する資料提供を外務省は米側に求めていないことなど、きわめて恣意的な見解と言わざるを得ない。
第2に、今回の作業委員会の結論は、この間の日本共産党の国会質疑での岸田外務大臣の、「米原子力艦船の安全性については、秘密保全に関する米国内の制約はある中ではありますが、可能な限り透明性を確保するよう様々な場面で求めてきております」(2014年5月12日参議院決算特別委)との答弁や、「原子力艦船の安全性に対する地元の信頼を維持していくことの重要性は強く認識している」(2015年3月10日衆議院予算委員会分科会)などの国会答弁を蔑ろにするものである。
第3に、避難範囲を現行マニュアル通りとした見解は、結局のところ米側のファクトシートに沿って米軍に配慮・追随したものでしかなく、首都圏3000万市民の安全への配慮を欠いたものである。
福島第1原発事故の根底には安全神話があった。そこから導き出す教訓は、安全神話に頼らない防災計画を真剣に追求することである。高浜原発差し止め仮処分決定では、「避難計画を視野に入れた幅広い規制基準を策定すべき信義則上の義務が国にある」と指摘している(3月9日大津地裁)。首都圏の入り口に常時原子力艦船が寄港しているという異常な事態で、市民が納得できる避難計画を政府は責任を持って示すべきである。国の政策で原子力空母を受け入れた以上、国はその最悪の事故を想定した避難計画を示す義務があるはずである。

我々は今回の作業委員会の見解に強く抗議し、問題の抜本的解決は原子力空母の母港返上が不可欠であることを改めて表明するものである。

以上

原子力艦の原子力災害対策マニュアル検証に係る作業委員会の見解についての抗議声明、PDF版

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