日本共産党神奈川県委員会

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米海軍航空機の相次ぐ事故を探る・・・三浦ヘリ墜落事故から一ヶ月

  01三浦ヘリ事故と同型機 03車輪を出して低速で試験飛行をするスーパーホーネット

●身近な目印を目安に飛行する米軍機
 近頃、低空で飛ぶヘリを心配そうに見上げる人が目につきます。「大丈夫かな」「落ちてこないかな」・・・そんな心配が伝わってきます。
 残念ですが、今まで(心配し)指摘してきた事故(墜落、不時着、部品落下など)が次々起きており、まさに「特定秘密」と「危険」は空から降りそそいでいるといえます。
 厚木基地のヘリは、飛行ルートの下の住民たちにとっては日常生活と隣り合わせです。厚木基地から横須賀方面に飛行するときは、おおよそ米海軍戸塚送信所の鉄塔、鎌倉の白く目立つ大船観音、そして神奈川県東部で最も高く通信鉄塔が林立する円海山山頂を目安に、地上50~100メートルの低空で南下します。
 今回はその延長、三浦半島南端の城ヶ島の事故でした。また、北上するときは見やすい相模川を北上することが多く、相模川両岸に沿って不時着することが多くあります。11年2月の事故はここで起こったものです。

●事故原因や飛行ルートは知らせない秘密主義を貫く米軍
 今回立て続けに航空機事故がおこりました。12月16日三浦市に厚木基地所属のMH60ヘリが墜落。1月9日には綾瀬市にFA18の部品が落下しました。いずれも空母ジョージ・ワシントンの第5空母航空団の最新鋭の部隊です。事故後1ヶ月が経過しますが、地元自治体には何の説明もありません。
 墜落したヘリは第12ヘリ海上戦闘部隊HSC12に所属し、米海軍横須賀病院に向かっていたといいます(米軍「星条旗」紙12月18日既報)。しかし、その飛行ルートや所属部隊などは公式に発表してません。

●米軍はパイロットを『英雄』あつかい
 在日米海軍司令部参謀ファラー大佐は三浦市長に「人がいない場所を選んでヘリを降ろしたことは、パイロットが優れていると思っている」「理解もお願いしたい」と語り(神奈川新聞12月18日付け)、米軍内ではむしろ英雄扱いです。12月18日付け星条旗紙は、見出しに『ヒーロー』という語句を使用しているのが特徴的です。

●この部隊はMH60の操作に最も長けた部隊と言うが
 事故機の乗務員は駆けつけた救急隊員に「後部ローターが停止した」と告げました。後部ローターがないとヘリコプターは竹トンボのようなもので、操縦が効かず機体が回転し、場合によっては頭から墜落します。
 そうした意味では確かに技量は高いかもしれません。では、なぜそのような弁明をするのでしょうか?。それは、この部隊が12年3月に米本土から厚木に移駐したMH60の操縦技量に最も長け部隊だからです。皮肉にも『華々しい初舞台』のスタートだったのです。しかも事故の一週間前にはヘリ部隊の中核である第51ヘリ海上打撃部隊司令官が交代したばかりでした。

●最新鋭部隊の事故・・大失態!
 実は04年沖縄国際大学にヘリが墜落したときも、後部ローターの不具合でした。この部分はヘリとしては整備の基本にあたる大事なところ、また同じ問題、同じ場所の整備不良ならば事は重大です。
 一方、1月9日のFA18ホーネットの部品落下。これは明らかに整備不良です。前日8日には、厚木基地に報道陣を呼んでP8ポセイドン(最新型ボーイング社製・対潜哨戒機)を公開して宣伝していました。 続いて翌9日にはそのP8に乗って第7艦隊司令官が厚木基地を訪問しましたが、その晴れの日に部品が落下したのです。
 厚木基地周辺では新年になり、この両日に騒音被害が集中しました。MH60ヘリといいFA18ホーネットといい最新鋭の部隊の事故です。その部隊の機体の整備不良だった。しかも軍幹部の前での事故。米軍としては大失態を演じたのです。

●整備不良は技量不足、注意散漫、悪慣れ
 厚木基地で実施した日米ヘリ墜落事故想定訓練は、全く機能してなかったのです。しかも、日本の自治体・警察からの問い合わせに対する米軍の確認はあっても、事故発生を米軍自ら日本側に通告することはありませんでした。
 事故は、技量と即断で対処できますが、整備不良はその多くが技量不足と注意散漫、悪慣れが原因です。

●ヘリ事故を捜査できない日本の警察権限が及ばない?
 厚木基地には米国外で唯一、最大とも言える整備部門がある。艦隊即応センター(FRCWP)です。約200人もの人員が東はグアム、西はペルシャ湾までを担当しています。オーストラリア、韓国、シンガポール、グアム、沖縄に分遣隊を置き、不足する部品を各国の地元企業(日本で言えば(株)ニッピなど)と業務提携して補っています。
 仮に技量が充分だとするならば、無理な飛行訓練計画と注意散漫、悪慣れの問題とも言えます。日本でどんな事故を起こしても、その責任を追及され、日本の警察権や法律で裁かれる事は無いからと高をくくっているのではないかと疑わざるを得ません。
 今回のヘリ事故も警察は業務上過失傷害の疑いで捜査したいようですが、米兵の氏名はおろか部隊名・階級も明らかになってません。また沖縄のように氏名不詳で書類送検することも考えられます。
 日本の法律に従って事故調査が行われない限り、今後も常に事故の危惧がつきまとになるでしょう。米軍は、あまりに緊張感に欠けているのではないでしょうか。
(「新かながわ)2014年1月26日 第2250号から転載、一部加筆)

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